鳥の性別鑑定に使う試料はなにがおすすめ?

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試料は羽根がオススメ!

遺伝子検査 (PCR)による鳥の性別鑑定では、羽根、糞便、血液などの生体試料を使用することができます。その中でも、特に羽根は非侵襲的 (愛鳥に負担を与えず、傷つけない)でありながら、精度の高い結果が得られるため、特にオススメです。

以下に、各試料の特徴をまとめました。

スクロールできます
試料メリットデメリット
羽根換羽で抜け落ちた羽根は非侵襲的で、愛鳥への負担が少ない
比較的容易に採取できる
高品質なDNAが得られ、検査精度が高い
採取後の保管条件に注意が必要 (後述)
糞便非侵襲的で手軽に採取できる
野外での収集も可能
DNAの品質が低く、検査精度が低くなる恐れがある
微生物や外部環境による汚染や感染リスクがある
血液高品質なDNAが得られ、検査精度が高い
少量で十分な解析が可能
採取が侵襲的で、鳥の負担が大きい
採血を誤ると、鳥が亡くなる危険がある
特別な技術や器具が必要

上記のほかに、卵殻や皮膚組織なども遺伝子検査に使用できます。

羽根を使った性別鑑定の最大の魅力

羽根を使用する最大の魅力は、鳥にストレスを与えず、正確な結果を得られることです。当店の性別鑑定サービスでは、羽根を試料として、高品質な検査結果を提供しています。これにより、愛鳥の健康を守りつつ、安心して性別鑑定をご利用いただけます。

性別鑑定に適した羽根とは?

性別鑑定に適した羽根としては、比較的大きく、清潔なものが推奨されます。以下のポイントにご注意ください。

適した羽根避けるべき羽根
大きな羽根 (根元 (羽軸根)がある羽根)
換羽で抜け落ちた羽根
新鮮な羽根
小さな羽根 (綿羽など)
糞便で汚れた羽根
水に濡れた羽根
抜け落ちてから時間が経った羽根

羽根の種類に注意は必要?

羽根の種類については特に気にする必要はありません。上記のポイントに注意した羽根であれば、どの種類でも問題なく使用できます。

なお、初列風切羽 (primaries)や尾羽 (tail)は、比較的PCR検査に適しているとされていますが、検査結果には大きな影響を与えることはないため、ほかの種類の羽根でも問題ありません。

羽根の保管方法について

羽根に含まれるDNAを劣化させないため、採取後はすぐに密閉袋 (チャック袋など)に入れ、冷凍庫 (もしくは冷蔵庫)で保管してください。

保管時の注意点は、湿度を下げ、温度を低く保ち、直射日光を避けることです。湿度、温度、直射日光はDNAの劣化を促し、検査精度を低下させる原因となります。屋外で飼育している鳥や野鳥を検査する際は、特に注意が必要です。

まとめ

鳥の性別鑑定に最適な試料は、非侵襲的で高品質なDNAが得られる羽根です。特に羽軸根を含む大きな羽根を使用すれば、精度の高い解析が可能です。

羽根を採取する際は、新鮮で清潔なものを選び、湿気や高温、直射日光を避けた環境で適切に保管してください。これらのポイントを押さえることで、愛鳥への負担を軽減しながら、確実な性別判定を実現できます。

当店では、羽根を試料としてPCR検査を行う鳥の性別鑑定サービスを提供しています。詳細はこちらをご覧ください。

参考文献

VILI, Nóra, et al. Factors affecting DNA quality in feathers used for non-invasive sampling. Journal of Ornithology, 2013, 154: 587-595.

Yimtragool, N., et al. Some Parts of the Feather Can be a Non-Invasive Genetic Sample for Sexing in Avian?. Iranian Journal of Applied Animal Science, 2022, 12.1: 161-166.

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